ピアノを楽に弾くための楽譜の読み方
「好きな曲を弾きたいな」
「でも楽譜が読めないし」
と諦めていませんか。もったいない。
楽譜を読むにはコツがあります。
そのコツを少しだけお伝えします。
長年ピアノを習っているのに楽譜が読めない
という生徒さんの紹介がありました。
簡単なアニソンやポップスを弾くだけの教室で、長年通っているのに、中学生にもなるのに楽譜は読めないそうです。使っている楽譜には先生が全部カナを振ってくれるとか。それでは、楽譜を自力で読めるようにはならないでしょう。幼い時から教室通いして、楽譜の読み方も身につかなかったとは、その先生にもポリシーはあってのことと思いますが、罪作りなことではないでしょうか。
自分で楽譜が読めて弾きたい曲を自由に弾けることは、正しいフォームで弾くことと合わせて、最低限身につけさせてあげたいと思います。
ドレミが読めることと弾けることは違います
目にも留まらぬ速さで音を奏でているピアニストは、いちいち「この音はド」「次はソ」などと音名で読んではいません。
では、どうやって読んでいるのでしょうか?
実は、私たちピアニストは、楽譜は「模様で弾いている」のです。
楽譜の上下は「音の高さ」と連動しています。模様が「上がれ」ばピアノの鍵盤上でも高い鍵盤、模様が「下がれ」ば、下がった幅だけ鍵盤も低い側を押さえればいいのです。
ここでいう、「鍵盤の高い側」とは鍵盤の右方向、「鍵盤の低い側」とは鍵盤の左方向をさします。
つまり五線上で音符の並び方の方向(上下)と音の隔たり(度数)を手が把握すればいいということです。
もちろん、音名が全くわからなくていいということではありません。「音名がわかること」プラス「鍵盤の隔たり」を感覚的につかむことで、かなり簡単に楽譜を「読んで」「演奏」することができるようになるのです。
目印の音をまず覚える
五線上に「音」は、線上に5つ、線と線の間に4つ置くことができます。上と下に加線を2本加えると、表記できる音は上下に5音ずつ増えます。けれども、その19の音名を全部覚える必要はありません。目印になる音だけ覚えて、あとは、そこから鍵盤上をなぞって「幅」でみて押えればいいのです。
ト音記号(高音部譜表)の目印の音は、
・下第一線の真ん中の「ド」
・上から2番目の間の「ド」
・上第2線の「ド」
・第2線の「ソ」
・上第1間(五線に接している音)の「ソ」
この3つの「ド」と2つの「ソ」の5音は、まずすぐ発見できるように覚えましょう。
また、ト音記号では、五線の音は下から「ミソシレファ」の音です。
「味噌汁は?」など、語呂合わせで覚えてもいいですね。
これは、ミファソラシドレミファと、ドレミの配列の一つ置きの音であることがわかります。
残りのミファソラシドレミファが間の音です。
その基礎知識だけあれば、例えば「ソの線の上の線の音は、シ」「ドのある間の1つ下の間の音はラ」ということになりますが、実際弾くときは、音名は言えなくても(わからなくても)、「ソの線の上の線の音」は、「右に一つ飛ばしの鍵盤」を、「ドのある間の1つ下の線の音」は「左どなりの鍵盤」を押さえればいいことになります。
このあたりは、文字だけの説明だとわかりにくいですね。実際に五線と鍵盤の図で示せばわかりやすいのですが、今日は用意できていないので、また後日に追記します。