「どんぐりころころ」の指づかいと練習ポイント(ピアノ初心者の幼児教育科生の方へ)
昨日のエントリーに続いて、ピアノ経験無しで幼児教育科に進まれた方への「どんぐりころころ」の指づかいのヒントです。
秋の定番曲です。
作曲者の簗田貞(やなだ・ただし(てい))大正時代の作曲家で、
「城ケ島の雨」なども作っています。中山晋平らとも交流があったそうです。
「どんぐりころころ」は、「ぞうさん」と並んで日本で一番有名な童謡ではないかと思います。大正時代に作られた歌を、現在も子どもたちが喜んで歌っているってすごいですね。
ピアノ演奏のための指番号の決め方(再掲)
指番号は、広い音域の曲を5本ずつの指(もっとたくさん指があればいい?!)で無理なく弾くために、「ポジション」という考え方で、1指をどこに置くと続きがスムーズに弾けるか合理的に考えて決めて行きます。
基本的に、隣り合った鍵盤には、順番に指を載せます。
1指(親指)が「C(ド)」なら、2指(人差し指)は「D(レ)」、3指(中指)は「E(ミ)」、4指(薬指)は「F(ファ)」、5指(小指)は「G(ソ)」という具合です。これを「5指のポジション」と呼びます。
さて、「どんぐりころころ」は、曲も歌詞も著作権は切れていてパブリックドメインとなっていますが、他の楽譜同様、歌詞は載せません。手元にご自身の楽譜を用意してご覧いただくと、わかりやすいと思います。
後半、練習のポイントも揚げますので、参考にしていただけたら嬉しいです。

「どんぐりころころ」の指づかいと練習ポイント
前奏の最初のG(ソ)を5指で弾きます。
歌の始まりのG(ソ)より1オクターブ高いG(ソ)であることに注意してください。
指づかいが書かれていない箇所や、丸付き数字でない指づかいの箇所は、「5指のポジション」原則で弾きます。
また、繰り返し同じ音型の箇所の指づかい表記は省略しています。全てを指づかいの数字に頼って弾くのではなく、音符の模様を見て弾くことに慣れて欲しいからです(別記事でこのことについて、触れていますので合わせてお読みください)。
丸付き数字は、この5指のポジション原則から外れる指づかいとなる箇所です。
2小節目に、高いG(ソ)から中央のG(ソ)まで1オクターブの音階が登場します。1−3の指づかいが登場しますが、音階の基本形なので、3は丸付き数字にしていません。
GからGまでの音階ですが、ト長調ではなくハ長調の音階なので、#F(ファ#)にはならず、全て白鍵盤です。
2段目の1小節目のE(ミ)は3指で弾きましたが、2小節目では、同じE(ミ)に1指を、次のG(ソ)は2指で弾きます。そのフレーズの中に登場する高いC(ド)を5指で弾くための準備です。
3段目にはまたG(ソ)が5指のポジションに戻りますが、リズムが細かくなっている点に注意してください。
3段目3小節目で再び、E(ミ)を1指で弾きます。
つまり、「どんぐりころころ」はG(ソ)に5指をおく(つまりC(ド)が1指と、E(ミ)が1指の2種類のポジションが交互に登場する曲です。
指づかいがわかったら、あとはスムーズに弾けるように練習あるのみ!!
そして、歌うとき「どんぶりこ」を「どんぐりこ」と間違えないこと。
さらに1番と2番では、2段目2小節目のリズムが変わることに注意してください。(この楽譜には2番のリズムは書いてありませんが、歌詞に合わせて、1番「はまって」、2番「いっしょに」の部分が変わります)
蛇足ですが、のちに3番以降の歌詞が作られたりもしたようです。
でも、私、この詩を最初に作った青木存義は、あえて2番の「泣いてはどじょうを困らせた」で終わらせたのではと思います。
こういうパターンの曲、例えば「犬のおまわりさん」などもそうですよね。あえて結論を書かないことで、子どもたちの想像力が育まれるのではないでしょうか。